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イブプロフェンとは?効果・市販薬の違い・副作用と注意点

有効成分

イブプロフェンは、痛み・発熱・炎症に関わるプロスタグランジンの産生を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一つです。日本の市販薬では、頭痛、生理痛、歯痛、腰痛、発熱などの症状を一時的に和らげる成分として使われます。ただし、製品によってイブプロフェンの量、1回量、服用回数、併用成分、対象年齢、運転に関する注意が異なります。成分名だけでなく、使用する製品の添付文書を確認することが重要です。

みんなの成分表編集部

査読論文・公的資料・公式表示を基にした編集部解説・最終更新

この記事の要点

  • 痛み・発熱・炎症に関わるプロスタグランジンの産生を抑えるNSAIDs
  • 市販薬にはイブプロフェン単剤と、鎮静成分や無水カフェインなどを含む配合剤がある
  • 同じmg表示でも、1錠・1回量・成人1日量のどれかによって意味が変わる
  • 他の解熱鎮痛薬やかぜ薬との重複、妊娠、喘息歴、胃腸・腎臓等の病気は添付文書で確認が必要

イブプロフェンとは

イブプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される解熱鎮痛成分です。体内でシクロオキシゲナーゼ(COX)を介したプロスタグランジンの産生を抑え、痛み、発熱、炎症反応を軽減します。市販の内服薬では、頭痛や生理痛などの痛み、悪寒・発熱を一時的に和らげる目的で配合されます。症状の原因そのものを診断・治療する成分ではないため、強い症状、いつもと違う症状、繰り返す症状では自己判断で服用を重ねず、医療機関で原因を確認する必要があります。

根拠資料: [7][1]

イブプロフェンがCOXを介するプロスタグランジン産生に関わる仕組みの模式図

市販薬では何に使われるか

効能・効果は製品ごとに承認されています。例えばイブプロフェン単剤の「リングルアイビー錠α200」の添付文書には、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛、外傷痛の鎮痛と、悪寒・発熱時の解熱が記載されています。一方、かぜ薬や月経痛向け配合剤では、他の有効成分を含み、効能・用法も異なります。「イブプロフェン配合」という共通点だけで、すべての製品が同じ症状・同じ飲み方に対応すると考えないことが大切です。

根拠資料: [1][2]

研究で確認されていることと、読み方

NSAIDsは月経困難症の痛みに対して、プラセボより有効であることが系統的レビューで示されています。ただし、個々のNSAIDsのどれが最も有効または安全かを決めるには証拠が不十分とされ、研究結果だけで市販製品の優劣は決められません。成人の急性片頭痛や術後痛でもイブプロフェンの単回投与を評価した試験がありますが、対象、用量、評価時間が限定された研究です。これらは成分の鎮痛作用を理解する根拠であり、あらゆる頭痛や痛みに同じ量を勧める根拠ではありません。実際の服用は国内で承認された各製品の用法・用量に従います。

根拠資料: [8][9][10]

単剤と配合剤では注意点が変わる

イブプロフェン市販薬には、イブプロフェンだけを有効成分とする単剤と、他の成分を組み合わせた配合剤があります。例えば「イブA錠」は2錠中にイブプロフェン150 mgのほか、アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを含みます。添付文書の「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」という注意は、製品全体の配合と結び付けて読む必要があります。したがって「イブプロフェンは必ず眠くなる」「イブプロフェンなら運転できる」のどちらも一律には言えません。使用する製品の全有効成分と運転注意を確認してください。

根拠資料: [2][1]

イブプロフェン単剤と配合剤で確認する添付文書の項目を示す図

150 mg・200 mgの前に、数値の基準を確認する

パッケージや比較表のmg数は、1錠当たり、1カプセル当たり、1回量当たり、成人1日量当たりのいずれかで表示されます。例えば単剤の「リングルアイビー錠α200」は1錠中200 mg、配合剤の「イブA錠」は2錠という1回量中150 mgです。かぜ薬では成人1日量を基準に成分量が示されることもあります。比較するときは、①何錠・何カプセル分か、②1回量か1日量か、③1日の服用回数と間隔、④他の有効成分、の順にそろえてください。mg数だけを並べても、効果の強さや安全性の順位にはなりません。

根拠資料: [1][2][4]

イブプロフェンのmg表示を1錠当たり・1回量当たり・1日量当たりで読み分ける図

用法・用量と重複服用で確認すること

代表的な単剤の「リングルアイビー錠α200」は、15歳以上が1回1錠、通常1日2回まで、症状が再度現れた場合は3回目を服用でき、4時間以上の間隔を空ける用法です。空腹時を避けるよう記載されています。ただし、この用法を別のイブプロフェン製品へ流用してはいけません。同製品の添付文書では、服用中に他の解熱鎮痛薬、かぜ薬、鎮静薬を使用しないこと、飲酒しないこと、長期連用しないことが示されています。複数製品を使うときは商品名ではなく有効成分欄を見て、解熱鎮痛成分が重なっていないか薬剤師・登録販売者に確認してください。

根拠資料: [1][4]

解熱鎮痛薬とかぜ薬の有効成分欄を照合して重複を確認する図

服用しない人と、服用前に相談する人

使用できない人・相談が必要な人は製品ごとに確認します。代表的な単剤の添付文書では、成分によるアレルギー歴がある人、解熱鎮痛薬やかぜ薬で喘息を起こしたことがある人、15歳未満、出産予定日12週以内の妊婦などは服用しないよう記載されています。また、治療中の人、妊娠中または妊娠の可能性がある人、授乳中の人、高齢者、薬でアレルギーを起こしたことがある人、心臓・腎臓・肝臓・全身性エリテマトーデス・混合性結合組織病などの診断を受けた人、胃・十二指腸潰瘍や潰瘍性大腸炎等の既往がある人などには服用前の相談事項があります。該当項目は製品により異なるため、箱と添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」を省略せず確認してください。

根拠資料: [1][2][3]

副作用と、直ちに相談・受診すべき症状

市販薬の添付文書には、皮膚の発疹・発赤・かゆみ、吐き気、胃部不快感、胃痛、口内炎、めまい、動悸、息切れ、むくみなどが記載されています。まれでも、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死融解症、消化管出血・穿孔、肝機能障害、腎障害、無菌性髄膜炎、喘息、再生不良性貧血、無顆粒球症など重い副作用が記載された製品があります。息苦しさ、顔や喉の腫れ、黒い便・血を吐く、激しい腹痛、広範囲の発疹や粘膜症状、尿量低下、意識の異常などが現れた場合は服用を中止し、製品の文書を持って直ちに医療機関へ相談してください。ここに挙げた症状だけで自己診断せず、添付文書の受診指示を優先します。

根拠資料: [1][2][6]

妊娠中・授乳中の確認点

妊娠週数によって注意が変わります。代表的なイブプロフェン市販薬では、出産予定日12週以内の妊婦は服用しないこと、妊娠中または妊娠の可能性がある人と授乳中の人は服用前に医師・歯科医師・薬剤師・登録販売者へ相談することが記載されています。厚生労働省・PMDAでも妊娠後期のイブプロフェン使用に関する注意が改訂されています。妊娠中は「市販薬だから少量ならよい」と自己判断せず、妊娠週数、症状、既往、併用薬を伝えて相談してください。

根拠資料: [1][5][2]

頭痛で繰り返し使うときは、服用日数と症状の変化を見る

鎮痛薬を頻繁に使うと、かえって頭痛が増える「薬剤の使用過多による頭痛」が起こることがあります。国際的な診断基準を紹介する日本頭痛学会の解説では、単一成分の非オピオイド鎮痛薬は月15日以上、複数成分の配合鎮痛薬は月10日以上の使用が3か月を超えることなどが基準に含まれます。これは「その日数までなら安全」という服用目安ではありません。錠数だけでなく服用した日を記録し、使用日が増える、効きにくくなる、頭痛が日常化する場合は早めに受診してください。また、突然発症して短時間でピークに達する経験のない激しい頭痛、発熱、手足の麻痺・しびれを伴う頭痛は、市販薬で様子を見ず至急受診が必要です。

根拠資料: [11][12]

アセトアミノフェン・ロキソプロフェンとの違い

イブプロフェンとロキソプロフェンはどちらもNSAIDsですが、別の有効成分であり、承認された対象年齢、1回量、服用回数、禁忌・相談事項は製品ごとに異なります。アセトアミノフェンも解熱鎮痛成分ですが、通常NSAIDsとは分類されず、過量投与やアセトアミノフェン含有製品の重複では重い肝障害に注意が必要です。同じ「頭痛」「発熱」向けでも、持病、妊娠、年齢、併用薬、症状によって確認点が変わります。成分を強さ順・安全順に並べるのではなく、各製品の添付文書と自分の条件を薬剤師等に示して選びます。

根拠資料: [13][14][1]

主な解熱鎮痛成分を、分類と表示で見分ける

以下は優劣ではなく、成分表示を読むための分類です。同じ成分でも単剤・配合剤、含量、用法、対象年齢、注意事項が異なるため、最終的には個別製品の添付文書を確認してください。

イブプロフェン

分類
NSAIDs / 解熱鎮痛成分
主な役割
痛み・発熱・炎症に関わるプロスタグランジン産生を抑える
特徴
市販薬に単剤と配合剤がある。1回量、服用間隔、年齢制限、喘息歴、妊娠等の確認が必要。

ロキソプロフェンナトリウム水和物

分類
NSAIDs / 解熱鎮痛成分
主な役割
痛み・発熱・炎症に関わるプロスタグランジン産生を抑える
特徴
イブプロフェンとは別成分。市販薬・医療用医薬品で製品ごとの用法と注意事項を確認する。

アセトアミノフェン

分類
解熱鎮痛成分(通常NSAIDsには分類しない)
主な役割
発熱と痛みを和らげる
特徴
含有製品の重複と過量で重い肝障害に注意。年齢・剤形・用量が製品ごとに異なる。

アスピリン(アセチルサリチル酸)

分類
NSAIDs / サリチル酸系解熱鎮痛成分
主な役割
痛み・発熱・炎症に関わるプロスタグランジン産生を抑える
特徴
イブプロフェンとは別成分。年齢、妊娠、出血、喘息等の注意は個別製品の表示で確認する。

根拠資料: [1][13][14][7]

イブプロフェンピコノールは別の成分

ニキビ治療薬などの外用薬に使われる「イブプロフェンピコノール」は、内服解熱鎮痛薬のイブプロフェンと同じものではありません。一般用外用薬の添付文書では、イブプロフェンピコノールを患部に塗布し、外用にのみ使用するよう記載されています。目や目の周囲、傷口などへ使用しないことや、外用にのみ使用することも確認事項です。名称が似ていても、用途、使い方、注意事項が異なるため、成分辞書や商品比較では別成分として扱います。内服薬の服用量や注意を外用薬へ当てはめず、購入した製品の添付文書を確認してください。

根拠資料: [15]

利用上の注意: イブプロフェン配合薬の用法・禁忌は製品ごとに異なります。他の解熱鎮痛薬・かぜ薬との重複、解熱鎮痛薬で喘息を起こした既往、胃腸・腎臓・心臓・肝臓等の病気、妊娠・授乳、年齢制限を添付文書で確認してください。出産予定日12週以内の妊婦、15歳未満などが「服用しない人」に含まれる代表的な市販薬があります。突然の激しい頭痛、麻痺・しびれ、呼吸困難、黒い便、広範囲の発疹などでは服用を重ねず受診してください。

イブプロフェンのよくある質問

イブプロフェンは何に効きますか?

市販の内服薬では、頭痛、生理痛、歯痛、腰痛などの鎮痛や、悪寒・発熱時の解熱に使われる製品があります。ただし効能・効果は製品単位で承認されるため、使用する商品の添付文書を確認してください。

イブプロフェンはロキソニンより強いですか?

一律に強さを順位付けできません。ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンとイブプロフェンは別のNSAIDsで、製品の含量、用法、対象、症状、評価時間が異なります。個別製品の表示と使用者の条件で判断します。

イブプロフェンとアセトアミノフェンの違いは何ですか?

イブプロフェンはNSAIDs、アセトアミノフェンは通常NSAIDsには分類されない解熱鎮痛成分です。注意すべき病気、過量時のリスク、対象年齢、用法が異なります。どちらが常に安全・有効とは言えず、製品表示と使用者の条件を確認します。

イブプロフェンは眠くなりますか?

イブプロフェン配合製品すべてが同じではありません。鎮静成分を含み、服用後の運転を禁止する配合剤があります。単剤か配合剤かを有効成分欄で確認し、添付文書の運転注意に従ってください。

空腹時に服用できますか?

代表的なイブプロフェン市販薬では、なるべく空腹時を避けるよう記載されています。ただし飲み方は製品ごとに異なるため、手元の添付文書を確認してください。胃痛や消化管潰瘍の既往などがある場合は服用前に相談が必要なことがあります。

かぜ薬や他の頭痛薬と一緒に飲めますか?

代表的な市販薬では、服用中に他の解熱鎮痛薬やかぜ薬を使わないよう記載されています。商品名が違っても解熱鎮痛成分が重なることがあるため、有効成分欄を確認し、判断できなければ薬剤師・登録販売者に相談してください。

妊娠中・授乳中に服用できますか?

代表的な市販薬では、出産予定日12週以内の妊婦は服用しないこと、妊娠中または妊娠の可能性がある人と授乳中の人は服用前に相談することが記載されています。妊娠週数と製品名を伝え、医師・薬剤師等に確認してください。

15歳未満でも使えますか?

本稿で参照した代表的なイブプロフェン市販薬は15歳未満を服用不可としています。年齢制限は製品ごとに確認し、子どもに大人用の薬を分けて使用しないでください。

頭痛で何日まで飲み続けてよいですか?

製品の添付文書に従い、長期連用はしません。服用日が増える、効きにくくなる、頭痛が日常化する場合は薬剤の使用過多による頭痛も考えられるため、自己判断で量や回数を増やさず受診してください。

イブプロフェンピコノールも同じ成分ですか?

同じではありません。イブプロフェンピコノールはニキビ治療薬などに使われる外用成分で、内服解熱鎮痛薬のイブプロフェンとは用途・使い方・注意事項が異なります。

編集: みんなの成分表編集部記事・データの作成方針運営会社

医師監修

正田 快医師
正田 快 医師

千葉大学病院所属

形成・美容外科

順天堂大学医学部卒

最終監修日: 2026.07.18

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