本文へスキップ

ビタミンDとは?働き・食べ物・日光・摂取量を解説

ビタミンビタミン・ミネラル栄養成分

由来: 合成/羊毛由来

ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収を助け、骨の形成と維持に関わる脂溶性ビタミンです。魚類やきのこ類などの食品から摂取できるほか、紫外線B波(UVB)を受けた皮膚でもつくられます。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男女の目安量は1日9.0µg、耐容上限量は1日100µgです。サプリメントを選ぶときは、1粒ではなく1日摂取目安量に含まれる量を確認し、ほかのサプリや処方薬との重複を避けます。

みんなの成分表編集部

査読論文・公的資料・公式表示を基にした編集部解説・最終更新

この記事の要点

  • 主な働きはカルシウムの吸収を助け、骨の形成と維持を支えることです。
  • 食品からの摂取に加え、UVBを受けた皮膚でもつくられますが、産生量は季節や生活条件で変わります。
  • 成人の目安量は9.0µg/日、耐容上限量は100µg/日です。どちらも治療量ではありません。
  • D2・D3の一般食品やサプリと、医療用の活性型ビタミンD製剤は同じものではありません。

ビタミンDとは

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、腸管からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウムとリンを保ちながら骨の石灰化を支えます。食品から摂取するだけでなく、UVBを受けた皮膚でも前駆体からつくられる点がほかの多くのビタミンと異なります。ただし、ビタミンDを多く摂れば骨が際限なく強くなるわけではありません。食事、運動、たんぱく質、カルシウムなどを含む全体の中で働く栄養素です。

根拠資料: [8][4]

ビタミンD2とD3、体内で使われるまで

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は主にきのこ類や酵母などに由来し、ビタミンD3(コレカルシフェロール)は魚類、卵などの食品、動物由来原料、一部の藻類由来原料、皮膚での産生に関係します。どちらも摂取した直後から活性型として働くのではなく、まず肝臓で25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]へ、次に主として腎臓で活性型の1,25-ジヒドロキシビタミンDへ変換されます。D2とD3はいずれもビタミンD源になりますが、製品の優劣は由来だけで決めず、1日量、剤形、ほかの栄養素との重複を確認します。

根拠資料: [8]

食品や日光に由来するビタミンDが体内で使われる形になるまでの概念図

ビタミンDに関連する4つの名称

商品ラベル、血液検査、処方薬では似た名称が使われますが、由来と役割が異なります。数値や製品を比べる前に、何を指しているかを確認します。

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)

分類
食品・サプリメント
主な役割
体内で代謝されるビタミンD源
特徴
きのこ・酵母由来など。食品やサプリメントで使われます。

ビタミンD3(コレカルシフェロール)

分類
食品・皮膚産生・サプリメント
主な役割
体内で代謝されるビタミンD源
特徴
魚類などに含まれ、UVBを受けた皮膚でもつくられます。サプリ原料の由来は製品で確認します。

25(OH)D(カルシジオール)

分類
血中代謝物
主な役割
ビタミンD状態をみる主な検査指標
特徴
主に肝臓で生成。血清25(OH)Dとして測定されます。

活性型ビタミンD・誘導体

分類
体内ホルモン/処方薬
主な役割
カルシウム・骨代謝を調節
特徴
カルシトリオールやエルデカルシトールなど。医療用製剤は食品・一般サプリと交換できません。

根拠資料: [8][11]

ビタミンDを含む食べ物

日本で身近な食品源は、魚類ときのこ類です。魚では身の部分や肝に、きのこではビタミンD2が含まれます。卵などにも含まれますが、含有量は食品の種類、養殖・飼育条件、乾燥や紫外線処理、調理状態によって異なります。正確な量を調べるときは、文部科学省の食品成分データベースで、食品名、可食部100g当たりの値、調理状態を確認します。料理1皿の量を知るには、100g当たりの値を実際に食べた重量へ換算する必要があります。

根拠資料: [4][7]

ビタミンDの食品、日光、サプリメントの供給源を分けて見る図

日光による皮膚での産生

皮膚では、日光に含まれるUVBを受けるとビタミンD3がつくられます。ただし産生量は、季節、緯度、時刻、天候、屋外にいる時間、露出する皮膚の面積、衣服、年齢、皮膚色などで大きく変わります。そのため、全員に共通する『1日何分』という時間は決められません。窓ガラス越しではUVBの多くが遮られます。一方、紫外線は日焼けや皮膚の光老化、皮膚がんのリスクにも関係します。ビタミンDだけを目的に無防備な長時間曝露を行わず、食事と生活条件を合わせて考えます。

根拠資料: [8][4][1]

日本人の1日摂取量:成人は目安量9.0µg、上限量100µg

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)では、18歳以上の男女の目安量を9.0µg/日、耐容上限量を100µg/日としています。妊婦・授乳婦の目安量も9.0µg/日です。目安量は、必要量を正確に推定できない栄養素について、一定の栄養状態を維持するのに十分と考えられる習慣的な摂取量を示す指標です。耐容上限量は『ここまで摂るべき量』ではなく、習慣的に超えると過剰障害のリスクが高まる量です。年齢が18歳未満の場合は年齢別の表を確認します。

根拠資料: [1][2][3]

ビタミンDの目安量、耐容上限量、栄養機能食品の表示を混同しない図

栄養成分表示と栄養機能食品の読み方

栄養成分表示では、ビタミンD量が1個、1粒、1食、100gなど異なる基準で示されます。栄養機能食品としてビタミンDの機能を表示する場合、現在の基準では1日摂取目安量当たり1.65〜5.0µgの範囲に入り、定められた機能表示と注意喚起を行う必要があります。この1.65〜5.0µgは、栄養機能を表示するための範囲であり、成人の目安量やサプリメント全般の上限量ではありません。栄養機能食品は規格基準に適合すれば表示できる制度で、国が製品ごとに効果を審査・許可したものではありません。

根拠資料: [6][5]

不足しやすい状況と欠乏

ビタミンDの状態は、食事だけでなく日光曝露と体内での吸収・代謝にも左右されます。屋外に出る機会や皮膚の露出が少ない人、高齢者、脂肪の吸収に影響する病気や手術歴がある人などでは、不足リスクを個別に考えることがあります。小児の重い欠乏はくる病、成人では骨軟化症に関係しますが、疲労感など非特異的な症状だけでビタミンD欠乏とは判断できません。リスク因子、症状、骨や腎臓の病気、服薬状況がある場合は、自己判断で高用量を始める前に医療機関へ相談します。

根拠資料: [8][1]

血液検査は25(OH)Dを測る:基準の目的を混同しない

ビタミンDの栄養状態を評価する血液検査には、一般に血清25(OH)Dが用いられます。活性型の1,25(OH)2Dは厳密に調節され、欠乏時にも保たれることがあるため、通常の栄養状態を表す検査ではありません。日本骨代謝学会・日本内分泌学会の2017年判定指針は、血清25(OH)Dが30ng/mL以上を充足、20ng/mL以上30ng/mL未満を不足、20ng/mL未満を欠乏と分類します。一方、厚労省の食事摂取基準は30ng/mLを一律の摂取基準に用いると厳しすぎる可能性を述べ、NASEM系の整理は20ng/mL以上で大部分の人に十分としています。これらは対象と目的が異なります。2024年のEndocrine Societyも、一般に健康な人への一律のスクリーニングを勧めていません。検査が必要か、どの値を治療目標にするかは診療上の背景を含めて判断します。

根拠資料: [8][10][1][9]

骨以外の『効果』はどこまで分かっている?

ビタミンD受容体は多くの組織にあり、免疫、筋機能、心血管疾患、糖尿病、がん、気分などとの関連が研究されています。しかし、血中濃度が低い人に病気が多いという関連だけでは、ビタミンDを追加すれば病気を予防できるとは証明できません。大規模試験や系統的レビューでも、対象者、開始時の25(OH)D、投与量、評価項目により結果は一様ではありません。したがって、現時点で確立した骨・カルシウム代謝の役割と、研究中または条件付きの健康転帰を分けて読みます。

根拠資料: [8][9]

過剰摂取とサプリメントの重複

ビタミンD中毒は、通常の食事や日光より、誤った高用量サプリメントの長期使用などで起こります。過剰になるとカルシウムが上がり、吐き気、筋力低下、口渇・多尿、腎結石、腎機能障害、軟部組織の石灰化、不整脈などにつながることがあります。単体サプリ、マルチビタミン、カルシウム製品、プロテインなどに同時配合されることがあるため、各製品の1日目安量を合算します。腎疾患、カルシウム代謝異常、肉芽腫性疾患がある人や、サイアザイド系利尿薬などを使用する人は、医師・薬剤師へ確認します。

根拠資料: [8][12]

食品・サプリと活性型ビタミンDの処方薬は別物

一般食品や多くのサプリメントに含まれるのはビタミンD2またはD3です。これに対し、カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトールなどの活性型ビタミンD製剤・誘導体は、骨粗鬆症やカルシウム代謝に関わる疾患などで処方される医薬品です。医療用製剤では高カルシウム血症や高カルシウム尿症を防ぐため、血液・尿検査が必要になることがあります。処方薬を使っている人は、市販のビタミンDやカルシウムを自己判断で追加せず、処方医または薬剤師に確認します。

根拠資料: [11][8]

食品、サプリメント、活性型ビタミンD処方薬の違いを確認する図

利用上の注意: 高用量の長期摂取、複数サプリの併用、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤との重複に注意します。処方薬を使用中、腎疾患・カルシウム代謝異常がある、妊娠中に高用量を検討している、子どもへ与える場合は、医師・薬剤師へ確認してください。

ビタミンDのよくある質問

ビタミンDにはどんな働きがありますか?

腸管からのカルシウム吸収を助け、血液中のカルシウムとリンを保ち、骨の形成と維持に関わります。免疫などとの関連も研究されていますが、広い病気の予防効果を一般化できる段階ではありません。

ビタミンDが多い食べ物は何ですか?

主な食品源は魚類ときのこ類です。卵などにも含まれます。含有量は食品の種類や状態で異なるため、文部科学省の食品成分データベースでは可食部100g当たりの値と調理状態を確認します。

日光に当たればサプリメントは不要ですか?

一律には判断できません。皮膚での産生量は季節、緯度、時刻、天候、衣服、皮膚色、年齢、屋外活動などで変わります。食事、生活条件、病気や服薬を含めて考え、高用量サプリを自己判断で始めないことが大切です。

1日にどれくらい摂ればよいですか?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男女の目安量は9.0µg/日です。これは習慣的な摂取の基準であり、欠乏の治療量ではありません。18歳未満は年齢別の基準を確認します。

ビタミンDの上限は100µgですか?

成人の耐容上限量は100µg/日です。100µgまで摂ることを勧める値ではなく、習慣的に超えると過剰障害のリスクが高まる基準です。医療上の投与は医師の管理下で別に判断されます。

µgとIUはどう換算しますか?

ビタミンDは1µg=40IUです。例えば10µgは400IU、25µgは1,000IUです。換算後も、1粒・1食・1日量のどの基準かを確認してください。

ビタミンD2とD3はどちらを選べばよいですか?

D2もD3も体内で代謝されるビタミンD源です。由来だけで優劣を決めず、1日量、剤形、食事とほかのサプリからの摂取、原料の由来を確認します。欠乏治療では検査値や病気に応じて医師が選択します。

ビタミンD不足は血液検査で分かりますか?

主に血清25(OH)Dを測ります。ただし、国内2017年指針、厚労省の食事摂取基準、海外機関では閾値の目的が異なります。一般に健康な人全員へ一律に検査することは推奨されておらず、検査の必要性と結果は医師が背景を含めて判断します。

妊娠中・授乳中の目安量は変わりますか?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、妊婦・授乳婦の目安量も9.0µg/日です。ただし、検査で欠乏を指摘された場合や持病・服薬がある場合の補充量は、目安量ではなく診療上の判断に従います。

『栄養機能食品(ビタミンD)』は国が効果を審査した商品ですか?

いいえ。栄養機能食品は、1日摂取目安量や表示などの規格基準を満たせば事業者の責任で表示できる制度で、国が製品ごとに効果を審査・許可したものではありません。

サプリメントと活性型ビタミンDの薬は同じですか?

同じではありません。一般的なサプリはD2またはD3ですが、エルデカルシトールなどの活性型ビタミンD製剤・誘導体は処方薬です。処方薬を使用中は、市販のビタミンDやカルシウムを追加する前に医師・薬剤師へ確認します。

編集: みんなの成分表編集部記事・データの作成方針運営会社

医師監修

正田 快医師
正田 快 医師

千葉大学病院所属

形成・美容外科

順天堂大学医学部卒

最終監修日: 2026.07.18

この成分を含む商品(28件)