みんなの成分表編集部
査読論文・公的資料・公式表示を基にした編集部解説・最終更新
この記事の要点
- ナイアシンアミドはニコチン酸アミドとも呼ばれるビタミンB3の一形態です。
- 一般化粧品への配合と、医薬部外品の有効成分としての配合は分けて読みます。
- 薬用化粧品の「美白」は、メラニンの生成を抑えてしみ・そばかすを防ぐという予防表現です。
- 製品を選ぶときは、剤形・ほかの成分・刺激感と、公式が示す製品区分を確認します。
ナイアシンアミドとは
ナイアシンアミドは、ナイアシン(ビタミンB3)に含まれるアミド型の化合物で、ニコチン酸アミドとも呼ばれます。体内では補酵素NAD・NADPの材料になりますが、化粧品では皮膚コンディショニングなどを目的に外用されます。ニコチン酸とは近縁でも同一ではなく、経口栄養素としての働きや医薬品の用法を、化粧品の塗布効果へそのまま置き換えることはできません。

一般化粧品と薬用化粧品では何が違う?
一般化粧品は清潔にする、美化する、健やかに保つなどの範囲で使われ、全成分表示にナイアシンアミドがあっても、特定の効能が承認されたことを意味しません。医薬部外品は品目ごとに承認を受け、パッケージの有効成分欄と効能・効果欄を表示します。『ナイアシンアミド配合』という一文だけではなく、『医薬部外品』『薬用』の表示と、その製品で承認された効能を読み分けることが重要です。

ナイアシンアミド配合製品の区分と表示の違い
同じ成分名があっても、一般化粧品と医薬部外品では表示できる内容が異なります。優劣ではなく、購入前に確認する欄を整理します。
一般化粧品
- 分類
- 化粧品
- 主な役割
- 肌を整える、保湿など
- 特徴
- 全成分表示を確認。成分名だけで美白やシワ改善の承認を意味しない。
美白の薬用化粧品
- 分類
- 医薬部外品
- 主な役割
- メラニン生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ
- 特徴
- 有効成分欄と製品の効能を確認。既存のしみを消す意味ではない。
シワ改善の薬用化粧品
- 分類
- 医薬部外品
- 主な役割
- シワ改善
- 特徴
- 製品ごとの承認効能。一般化粧品の乾燥小ジワ表示とは区別する。
肌荒れ防止の薬用化粧品
- 分類
- 医薬部外品
- 主な役割
- 肌荒れを防ぐ
- 特徴
- 同じ有効成分でも、承認された効能はパッケージで確認する。
薬用化粧品の美白表示を正しく読む
日本の薬用化粧品でいう美白は、一般に『メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ』という予防の効能です。すでにある色素斑を消す、肝斑を診断・治療する、肌そのものを白く変えるという意味ではありません。ナイアシンアミドが有効成分でも、承認された効能は製品ごとに確認します。日中の紫外線対策を置き換えるものでもありません。
シワ改善と乾燥による小ジワは別の表示
薬用化粧品の『シワを改善する』は、承認を受けた医薬部外品に認められる効能です。一方、一般化粧品には、定められた試験で評価した場合に『乾燥による小ジワを目立たなくする』という表現があります。二つは審査区分も意味も異なります。成分表にナイアシンアミドがあるだけで、どちらの表示も自動的に認められるわけではありません。
5%配合製剤の研究から分かること
50人の女性を対象とした12週間の左右比較試験では、5%ナイアシンアミド配合保湿剤を片側の顔に使用し、細かな線、しわ、色素斑、赤みなどの外観指標を基剤と比較しました。複数の指標で差が報告されていますが、これは特定の製剤、対象者、期間での結果です。5%という数字がすべての肌や製品に同じ結果をもたらすことや、ナイアシンアミド単独で治療効果が得られることを示す試験ではありません。
根拠資料: [3]

商品ページの配合量表示は、完成品の数値かを確認する
一般化粧品で配合量が公開される場合でも、その数字だけで効果の強さや肌への合いやすさは決まりません。水分量、pH、溶剤、保湿剤、油性成分との組み合わせで、完成品の使い心地は変わります。薬用化粧品では、有効成分の配合量が一般向けに開示されない場合もあります。数値を比べる具体的な手順は、製品比較のための「ナイアシンアミドの濃度の見方」で整理しています。
刺激・赤みが出たときの対応
CIRの安全性評価では、ナイアシンアミドは報告された化粧品の使用方法と配合濃度で安全に使用できると評価されています。ただし完成品には多数の成分が含まれ、肌の状態によっては赤み、かゆみ、ひりつきが生じることがあります。新しい製品は使用方法を守り、刺激が続く場合は中止します。強い腫れや痛み、水疱などがある場合は皮膚科へ相談してください。
根拠資料: [1]
ナイアシンアミドのよくある質問
ナイアシンアミドはビタミンCと一緒に使えますか?
一般的な完成品を使用方法どおり重ねること自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし複数の美容液を重ねると刺激の原因を特定しにくくなります。新しい製品は一つずつ試し、刺激が出た場合は使用を中止してください。
5%と10%では、10%の方がよいですか?
濃度だけでは判断できません。5%配合製剤の臨床研究はありますが、その結果を全製品へ一般化できず、10%が常に上回ることも示していません。処方、刺激感、使用方法まで確認します。
ナイアシンアミドは毛穴やニキビに効果がありますか?
毛穴の見え方やニキビには皮脂、乾燥、炎症、角栓など複数の要因があります。化粧品の成分名だけで治療効果は判断できません。ニキビが続く、痛みや跡がある場合は皮膚科へ相談してください。
薬用化粧品なら、しみが消えますか?
薬用化粧品の美白は、メラニンの生成を抑えてしみ・そばかすを防ぐ予防表現です。今ある色素斑を消す、肝斑を治療するという意味ではありません。
敏感肌でも使えますか?
ナイアシンアミド単独ではなく完成品の処方で反応が変わります。敏感に傾いているときは少量から試し、赤み、かゆみ、ひりつきが続く場合は使用を中止してください。
医師監修

千葉大学病院所属
形成・美容外科
順天堂大学医学部卒
最終監修日: 2026.07.18