本文へスキップ

ヒアルロン酸Naとは?保湿の仕組み・種類・分子量の見方を解説

保湿機能性関与成分

由来: 発酵由来

ヒアルロン酸Na(Sodium Hyaluronate)は、ヒアルロン酸をナトリウム塩にした水溶性の高分子です。化粧品では主に、水分を抱えて皮膚表面や角層のうるおいを保つ保湿成分として使われます。分子量や誘導体によって水への溶け方や感触は変わりますが、『低分子ほど必ず深く届く』『高分子ほど保湿力が高い』と単純には決められません。

みんなの成分表編集部

査読論文・公的資料・公式表示を基にした編集部解説・最終更新

この記事の要点

  • ヒアルロン酸Naは、ヒアルロン酸のカルボキシ基をナトリウム塩にした表示名称です。
  • 化粧品では主に水分保持、皮膜形成、使用感の調整を目的に配合されます。
  • 分子量は処方中の挙動に関係しますが、全成分表示だけでは分子量を判別できません。
  • 注射・点眼薬・経口サプリメントの研究は、塗る化粧品の根拠とは分けて読みます。

ヒアルロン酸Naとは

ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が繰り返し連なったグリコサミノグリカンです。皮膚、関節液、眼の硝子体など人体にも存在します。ヒアルロン酸Naは、そのカルボキシ基をナトリウム塩にした形で、水に分散・溶解させやすいため化粧品原料として広く用いられます。『Na』はナノサイズを意味する記号ではありません。

根拠資料: [1][2]

水分を含む透明な高分子のフィルムとネットワークを描いた概念図

化粧品ではどのようにうるおいを保つ?

ヒアルロン酸Naは多数の親水性基を持ち、水分を抱えたゲル状の環境をつくります。塗布した化粧品では皮膚表面に薄い膜を形成し、角層の水分量やなめらかな感触を支えるヒューメクタントとして働きます。乾燥肌を対象にした外用製剤の試験でも角層水分量の改善が報告されていますが、結果はヒアルロン酸Na単独ではなく完成した処方の評価です。

根拠資料: [2][3]

ヒアルロン酸Naが水になじみ、皮膚表面でうるおいを支える仕組みを示す図解

高分子・低分子と分子量の見方

ヒアルロン酸は鎖の長さによって分子量が大きく異なります。高分子は皮膚表面での皮膜形成や粘度に、低分子化した原料は水への分散や感触に影響します。一方、分子量の呼び方や範囲は研究・原料メーカーで統一されておらず、低分子という言葉だけで皮膚の特定層まで到達すると断定できません。分子量が違えば生物学的な挙動も変わり得るため、『小さいほど高性能』という読み方は避けます。

根拠資料: [2][1]

加水分解・アセチル化ヒアルロン酸との違い

加水分解ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸を加水分解して分子量を小さくした原料です。アセチルヒアルロン酸Naは、ヒアルロン酸Naの一部をアセチル化した誘導体です。ほかにもヒアルロン酸クロスポリマーNaなど、架橋して皮膜性や持続性を調整した原料があります。いずれもヒアルロン酸系ですが同一成分ではなく、全成分表示では別の名称で記載されます。

根拠資料: [1][6]

ヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸クロスポリマーNaを別の表示名として示す図解

ヒアルロン酸系成分の表示名称と特徴

ヒアルロン酸系原料は、分子量の調整や化学修飾によって表示名称が分かれます。名称から確認できる代表的な違いを整理します。

ヒアルロン酸Na

分類
ヒアルロン酸のナトリウム塩
主な役割
水分保持・皮膜形成
特徴
水溶性の高分子。分子量は表示名だけでは分からない。

加水分解ヒアルロン酸

分類
加水分解物
主な役割
水分保持・感触調整
特徴
加水分解で鎖を短くした原料。分子量範囲は製品資料を確認する。

アセチルヒアルロン酸Na

分類
アセチル化誘導体
主な役割
保湿・皮膜性の調整
特徴
一部をアセチル化した別の表示名称を持つ原料。

ヒアルロン酸クロスポリマーNa

分類
架橋体
主な役割
皮膜形成・持続性の調整
特徴
三次元的に架橋した高分子。通常のヒアルロン酸Naとは別成分。

根拠資料: [1][6]

塗る・注射する・点眼する・飲む研究は別に考える

医療ではヒアルロン酸Naが関節内注射、眼科手術補助剤、点眼薬などに使われますが、投与部位、濃度、目的、管理方法が化粧品とは異なります。経口摂取の研究も、消化管を経由するため外用とは別の根拠です。注射による体積補充や関節治療の説明を、化粧品を肌に塗ったときの効果として紹介することはできません。

根拠資料: [4][5]

ヒアルロン酸Na配合化粧品の選び方

化粧水や美容液では、ヒアルロン酸Naとグリセリン、BGなど複数の水溶性保湿成分が組み合わされます。クリームではさらに、セラミド、脂肪酸、ワセリンなどの油性・バリア成分が水分蒸散を抑えます。水分の多い製品だけでつっぱる場合は、乳液やクリームを組み合わせる選択肢があります。顔、目元、体など使用部位と、洗い流す・洗い流さないという使用方法も確認します。

根拠資料: [2][9]

全成分表示から分かること・分からないこと

全成分表示からは、ヒアルロン酸Naや各誘導体の配合有無を確認できます。日本の化粧品は原則として配合量の多い順ですが、1%以下は順不同にできるため、後方にあることだけで無意味とは判断できません。分子量、由来、純度、正確な濃度は、メーカーが公開していなければ表示からは分かりません。

根拠資料: [7][8]

ヒアルロン酸Naの安全性と刺激

Cosmetic Ingredient Reviewは、ヒアルロン酸とその塩・誘導体について、化粧品で報告された使用方法と濃度で安全と評価しています。高分子であるため、通常の外用で全身へ大きく吸収されることは想定されにくい一方、完成品には防腐剤、香料、溶剤なども含まれます。赤み、かゆみ、腫れ、強い刺激が出た場合は使用を中止してください。

根拠資料: [1]

ヒアルロン酸Naのよくある質問

ヒアルロン酸Naとヒアルロン酸は何が違いますか?

ヒアルロン酸Naは、ヒアルロン酸をナトリウム塩にしたものです。化粧品では水に扱いやすいヒアルロン酸Naが広く使われます。Naはナノサイズという意味ではありません。

低分子ヒアルロン酸は肌の奥まで浸透しますか?

低分子という呼び方だけでは、分子量の範囲や皮膚内の到達部位を特定できません。化粧品でいう浸透は通常角層までで、メーカーが示す試験条件と対象製品を確認します。

ヒアルロン酸Naは1gで何リットルの水を抱えますか?

水分保持量は分子量、濃度、塩濃度、pH、測定方法で変わります。広告で使われる一つの数字を、すべての原料や完成品へ共通する固定値として扱うことはできません。

種類が多く配合されているほど保湿力は高いですか?

種類の数だけでは決まりません。各原料の量、グリセリンや油性成分との組み合わせ、剤形、使用量など完成品の処方全体が関係します。

敏感肌でも使えますか?

ヒアルロン酸Naは幅広い製品に使われますが、肌への適否は完成品全体で変わります。新しい製品は少量から試し、赤みやかゆみが続く場合は使用を中止してください。

編集: みんなの成分表編集部記事・データの作成方針運営会社

医師監修

正田 快医師
正田 快 医師

千葉大学病院所属

形成・美容外科

順天堂大学医学部卒

最終監修日: 2026.07.18

この成分を含む商品(45件)