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パンテノールとは?化粧品での役割・ビタミンB5との違いを解説

整肌保湿有効成分整肌成分

由来: 合成(プロビタミンB5)

パンテノールは、パントテン酸(ビタミンB5)のアルコール型誘導体です。化粧品では水分を抱える保湿成分、肌を整える皮膚コンディショニング成分、毛髪の感触を整えるヘアコンディショニング成分として使われます。外用製剤の研究では角層水分量や経皮水分蒸散量の変化が報告されていますが、治療薬の効能や『傷を治す』『髪を生やす』という効果とは区別が必要です。

みんなの成分表編集部

査読論文・公的資料・公式表示を基にした編集部解説・最終更新

この記事の要点

  • パンテノールはビタミンB5そのものではなく、体内でパントテン酸へ変換され得る誘導体です。
  • 化粧品では保湿、皮膚・毛髪コンディショニングを目的に幅広い剤形へ配合されます。
  • D-パンテノールは生物学的に活性な光学異性体で、DL-パンテノールはD体とL体の混合物です。
  • 配合濃度だけで優劣を決めず、完成品の剤形、ほかの保湿成分、使用部位を確認します。

パンテノールとは

パンテノールはパントテン酸のカルボキシ基をアルコールに置き換えた化合物で、プロビタミンB5とも呼ばれます。皮膚などで酸化されるとパントテン酸になり、補酵素Aに関わる栄養素の経路へ入ります。ただし、経口ビタミンとしての生理作用を、化粧品を塗ったときの効能としてそのまま説明することはできません。

根拠資料: [1][3]

D-パンテノールとDL-パンテノールの違い

パンテノールには鏡像関係にあるD体とL体があり、生物学的にパントテン酸活性を示すのはD体です。DL-パンテノールはD体とL体を等量含む混合物です。どちらも保湿やコンディショニングを目的に化粧品へ使われますが、日本の全成分表示では一般に「パンテノール」と記載され、原料の立体異性体構成までは分からない場合があります。

根拠資料: [1]

D-パンテノールとDL-パンテノールの表示を確認する図

パンテノールと関連する表示の違い

似た名前でも化学形、製品区分、主な用途が異なります。表示を読むための違いを整理します。

パンテノール

分類
化粧品表示名称
主な役割
保湿、皮膚・毛髪コンディショニング
特徴
D体またはDL体が使われる。全成分表示だけでは構成が分からない場合がある。

D-パンテノール(デクスパンテノール)

分類
D体
主な役割
化粧品原料・医薬品成分
特徴
生物学的に活性な光学異性体。医薬品の効能は製品承認に基づく。

DL-パンテノール

分類
D体・L体の混合物
主な役割
保湿、コンディショニング
特徴
D体とL体を含む。化粧品ではパンテノールと表示されることがある。

パントテン酸

分類
ビタミンB5
主な役割
栄養素・関連化粧品成分
特徴
パンテノールの酸化型。経口栄養と外用化粧品の根拠は分けて読む。

根拠資料: [1][5]

肌の保湿とバリア指標に関する研究

パンテノールは親水性で、角層に水分を保持するヒューメクタントとして働きます。健康な成人を対象にデクスパンテノール配合製剤を反復塗布した試験では、角層水分量の増加や経皮水分蒸散量の低下が報告されています。ただし試験は基剤を含む完成製剤で行われ、濃度、塗布回数、対象部位が限定されています。パンテノール単独が皮膚疾患を治療したという意味ではありません。

根拠資料: [2][3]

パンテノールを保湿処方の一要素として読む図

化粧品・医薬部外品・医薬品の表示を分ける

一般化粧品では、パンテノールは肌や毛髪を整える範囲で表示されます。医薬部外品や医薬品では、デクスパンテノールなどが有効成分として使われる製品もありますが、効能は品目ごとの承認に基づきます。一般化粧品にパンテノールが配合されているだけで、『肌荒れを治す』『傷を修復する』など医薬品の効能を表示できるわけではありません。

根拠資料: [4][5]

シャンプー・トリートメントでの役割

ヘアケア製品では、パンテノールは毛髪に水分を与え、しなやかさや櫛通りなどの感触を整える目的で使われます。洗い流すシャンプーと、毛髪に残るトリートメントやスタイリング剤では接触時間が異なります。毛幹の手触りを整える作用と、毛包に作用して発毛を促すことは別であり、成分名だけから育毛効果を期待することはできません。

根拠資料: [1][3]

化粧水、クリーム、ヘアケアでパンテノールの表示を確認する図

1%・5%などの濃度はどう読む?

パンテノールの濃度を表示する製品がありますが、数字は処方情報の一つです。研究では1%前後から5%程度までさまざまな製剤が用いられ、対象や評価項目も異なります。濃度が高いほどすべての指標が直線的に改善するとは示されていません。グリセリン、油性成分、乳化構造、pHなどを含む完成品の使用感と、推奨される使用量を確認します。

根拠資料: [2][1]

パンテノールの配合率を完成品の条件と合わせて読む図

目的に合わせた製品の選び方

乾燥対策では、パンテノールに加えてグリセリンなどの保湿剤と、油性成分を含む乳液・クリームかを確認します。頭皮・毛髪用では、頭皮に使う製品か毛髪だけに使う製品か、洗い流すかどうかを見ます。香料、エタノール、防腐剤などに反応した経験がある場合は、パンテノールだけでなく全成分表示と使用部位を確認してください。

根拠資料: [3]

パンテノールの安全性

Cosmetic Ingredient Reviewは、パンテノールと関連成分について、報告された化粧品の使用方法と濃度で安全と評価しています。刺激性や感作性は低いとされていますが、まれに接触皮膚炎の報告があります。使用後に赤み、かゆみ、腫れが続く場合は中止し、症状が強い場合は皮膚科へ相談してください。

根拠資料: [1][3]

パンテノールのよくある質問

パンテノールとビタミンB5は同じですか?

パンテノールはパントテン酸(ビタミンB5)のアルコール型誘導体です。関連はありますが同一化合物ではありません。外用化粧品の働きと経口ビタミンの栄養作用も分けて考えます。

パンテノールは肌荒れを治しますか?

一般化粧品では保湿や肌を整える目的で使われます。治療効果は表示できず、医薬部外品・医薬品の効能は完成品ごとの承認内容を確認します。症状が続く場合は医療機関へ相談してください。

5%配合なら1%より効果が高いですか?

濃度だけでは比較できません。基剤、他の保湿成分、塗布量、使用回数で結果が変わり、高濃度ほど常に優れるとは示されていません。

パンテノール入りシャンプーで髪が生えますか?

パンテノールは主に毛髪の水分や感触を整える目的で使われます。発毛効果を示す成分ではありません。脱毛が気になる場合は原因の評価が必要です。

敏感肌でも使えますか?

一般に幅広く使用される成分ですが、完成品全体への反応は個人差があります。少量から試し、赤みやかゆみが続く場合は使用を中止してください。

編集: みんなの成分表編集部記事・データの作成方針運営会社

医師監修

正田 快医師
正田 快 医師

千葉大学病院所属

形成・美容外科

順天堂大学医学部卒

最終監修日: 2026.07.18

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